先日、研修で熊本に行ってきました。
熊本地震の被害調査、エバーフィールド様の工場見学、そして熊本城の見学と、木造建築や構造について考えさせられることの多い数日間でした。
熊本地震の被害調査
まずは、熊本地震で被害を受けた建物を見て回りました。
実際に見て印象的だったのは、梁や柱そのものの損傷は意外と少なかったことです。
部材が折れているというよりも、接合部が外れて崩れてしまっている建物が多く見られました。
どれだけ太い梁や柱を使っていても、それをつなぐ部分が外れてしまえば、建物としては持ちこたえられません。
普段の構造計算でも接合部の検討は重視していますが、あらためて「つなぎ方」の大切さを実感しました。
金物の選定や取り付けの確認など、図面と現場の両方でしっかり見ていかないといけないなと、気が引き締まる思いです。
エバーフィールド様の工場見学
続いて、エバーフィールド様の工場を見学させて頂きました。
外から見ても、軒先に木の架構がそのまま表れていて、とても印象的な建物です。
中に入ると、レシプロカル構造による大空間が広がっていました。
レシプロカル構造とは、部材同士がお互いを支え合うように組み合わされた架構のことです。
短い材を組み合わせながら、これだけの大空間をつくり出しているのには驚かされました。
力の流れがそのまま形になっていて、構造そのものが美しさになっている空間でした。
工場内には架構の模型も置かれていて、検討を重ねてきた様子がうかがえました。
何より、案内してくださった職人さんの話しぶりから、ものづくりへの熱量がひしひしと伝わってきたのが印象に残っています。
熊本城の見学
最後に、熊本城を見学しました。
内部の梁や柱は、申し分ないほどの巨大な部材が使われていました。
石垣に沿って続く木の架構は迫力があり、当時の技術の高さを感じます。
ただ、そんな熊本城にも、しっかりと耐震補強が施されていました。
これだけ立派な部材でつくられた建物でも、それだけで地震に耐えられるとは限らないということなんだと思います。
研修を終えて
今回の研修では、地震で壊れた建物、構造の美しさを追求した建物、そして歴史ある建物の耐震補強と、それぞれ違う角度から木造建築を見ることができました。
共通して感じたのは、部材の大きさだけでなく、それをどうつなぎ、建物全体でどう力を受け流すかが大切だということです。
今回学んだことを、日々の設計や構造計算にしっかり活かしていきたいと思います。